登場人物の年齢と役が合ってない…。
ミスキャストと酷評された作品
『氷菓』(2022)
監督:安里麻里
脚本:安里麻里
原作:米澤穂信
出演:山﨑賢人、広瀬アリス、小島藤子、岡山天音、天野菜月、天野菜月、眞島秀和、貫地谷しほり、本郷奏多、斉藤由貴
上映時間:114分
【作品内容】
やらなくてもいいことなら、やらない「省エネ主義」を掲げる高校1年生の折木奉太郎(山﨑賢人)は、頭脳明晰で推理力が高い男子。
姉の命令で古典部に入部した奉太郎は、同じく古典部に入部した千反田える(広瀬アリス)と出会う。えるは奉太郎とは真逆の強烈な好奇心の持ち主だった。えるを通して、奉太郎の「省エネ人生」はだんだんと変化していく…。
【注目ポイント】
原作はミステリ小説家・米澤穂信のデビュー作であり、後に「〈古典部〉シリーズ」としてシリーズ化している。2012年にアニメ化され、こちらが大ヒット。『氷菓』は、このアニメをきっかけに本格的に人気を博した作品だ。制作したのは京都アニメーション、通称・京アニである。
当時の京アニは、まさに全盛期。『涼宮ハルヒの憂鬱』(2006~2009)や『けいおん!』(2009~2010)、『日常』(2011)など、破竹の勢いで、毎年大ヒットのテレビアニメを作り続けていた。
アニメが大人気となったことで、実写化が発表されたときにもファンの期待は高まっていた。しかし、キャスティングが発表された際に炎上してしまう。
本作の登場人物は、高校1年生なのだが、主演の山﨑と広瀬は当時20代前半で「高校生に見えない」という意見が散見された。
さらに、本作は山﨑の演技も不評。「奉太郎は、推理が得意なはずなのに、ただ頭がいいだけのキャラになっている」や「山﨑賢人のナレーションが棒読み過ぎる」などの酷評を受けた。
原作やアニメが人気なだけに、ファンとしては「解釈が違う」と感じてしまった部分は大いにあるだろう。山﨑の演技というより、キャスティング・演出側のミスで再現度が下がってしまった作品である。