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世界で最も評価されているジブリ音楽は? 海外メディアが選ぶ作曲家・久石譲による名曲10選。宮崎駿作品の名スコアをセレクト

text by 編集部

スタジオジブリ作品といえば、宮崎駿監督だけでなく、ジブリ作品を彩る素晴らしい楽曲を何十年にもわたって生み出し続けている作曲家・久石譲の名前が挙がるだろう。米メディアScreen Rantでは、ジブリ映画に使用されている久石譲の楽曲をランキング形式で評価している。早速そのランキング内容の詳細を紹介しよう。

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映画『紅の豚』(1992)

10.「帰らざる日々」

© 1992 Studio Ghibli・NN
© 1992 Studio GhibliNN

宮崎駿が手掛けた映画『紅の豚』(1992)。本作に登場する空賊のマンマユート団は空賊として、まるで悪党のように登場する。しかし、人質として捉えた女の子達に対し優しく話しかけ、仲間外れを作らないように、15人の女の子全員を時間を掛けて連れていく。

さらには飛行艇を修理する少女フィオから、飛行艇乗りのプライドを説かれて感銘を受けるなど、マンマユート団は悪党ではなく、実は誰よりも心の優しい紳士的な存在である。

ちなみにこのマンマユートという言葉はイタリア語で「助けてママ」という意味になる。1920年代の世界恐慌が影響となり、パイロットから空賊へと転換した彼らの心の内を表現したような名前だ。

上述した通り、本作に登場する悪役は、真の悪役ではない。戦争後に行われている、空賊と空賊狩りが繰り広げる空での戦いは、真の悪が通り過ぎた後の大人の真剣な遊びであり、それらの光景は心温まる要素が詰まった童話のようでもある。

しかし作中で描かれている内容は、彼らの攻防だけではない。重要となる部分は、いつの間にか戦争にその手を染め、仲間を大勢失ったにも関わらず、自分だけ生き延びてしまった、後悔や懺悔を感じさせる、豚となった主人公ポルコの存在である。

このように本作では、戦争の厳しい現実についても言及がなされており、そこにポルコの恋模様も混じった苦くも淡い幻想的なアニメ映画である。

そんな優しくも大人びた雰囲気を持つ映画『紅の豚』に登場する名曲は、作曲家・久石譲の「帰らざる日々」だ。

彼が頻繁に用いる複数の異なるリズムと拍子が同時進行する「ポリリズム」のテクニックによって、ジャジーなグルーヴが追加され、映画全体を通じて、主人公ポルコ・ロッソが戦う西洋の舞台を感じさせるだけではなく、古風でレトロな雰囲気を醸し出す。

曲のタイトルが示すように過去の思い出をしっかりと際立たせる、本作のテーマを完璧に表現した名曲である。

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