映画『魔女の宅急便』(1989)
2.「海の見える街」
宮崎駿の映画『魔女の宅急便』は、他の作品と比較しても久石譲の音楽がより私たちの耳を楽しませてくれる映画となっている。
本作では、美しい海岸沿いの街「コリコ」に引っ越した、修行中の若い魔女であるキキの姿が描かれている。キキの自立への成長を促すような波乱に満ちた冒険と共に、人々の才能やアイデンティティに関するテーマを扱っている。
そんな本作には、「晴れた日に…」、「大忙しのキキ」など、耳に残る音楽が登場するが、その中でも特に注目したいのは「海の見える街」だ。同曲は1989年の構想にもかかわらず、現在に至っても非常に数多くの人々に聴かれ続けている。
音だけで、素晴らしい風景を鮮やかな色彩で描いた、天才的なオーケストラ楽曲となっている。