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月9ドラマ史上、最もガッカリした作品は…? 歴代ワーストの呼び声高い失敗作5選。月9ブランドに傷をつけた作品をセレクト

text by 寺島武志

フジテレビ月曜9時枠のドラマといえば、かつては多くの名作を世に放ち社会現象を幾度も引き起こした、視聴者にとって最も注目を集める枠だった。しかし、中には残念ながら視聴者からの評判が振るわない作品も存在する。今回は、歴代の月9ドラマ作品の中で、特に視聴者から評判が悪かったとされるワースト作品を5本紹介する。(文・寺島武志)

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視聴者がツッコミどころ探しで盛り上がる事態に…。

『真夏のシンデレラ』

森七菜
森七菜Getty Images

主演:森七菜
放送期間:2023年7月10日~9月18日
脚本:市東さやか
最高視聴率:6.9%
他キャスト:間宮祥太朗、神尾楓珠、吉川愛、萩原利久、白濱亜嵐、仁村紗和、水上恒司、大西利空、森崎ウィン、桜井ユキ、山口智充

【作品内容】

主人公・蒼井夏海(森七菜)は、サップインストラクターの傍ら父が営むレトロな食堂を手伝っている。幼馴染の牧野匠(神尾楓珠)に密かに思いを寄せるが、夏海のサバサバとした性格が邪魔をして進展しないまま。

一方、一流大学卒、大手建築会社勤務という優等生サラリーマン水島健人(間宮祥太朗)は、バカンスで訪れた湘南の海で夏海と出会い、健人は夏海に惹かれていく。

【注目ポイント】

森七菜と間宮祥太朗がダブル主演を務め、湘南海岸を舞台に男女8人が繰り広げられるラブストーリー。海辺で生まれ育った女性3人組と、東京の一流大学を出たエリートの男性たち。住む世界の異なる男女が真夏の海で出会い、それぞれが恋心を抱き、複雑に交錯した感情や本音をぶつけ合いながら、“格差”を乗り越えて成長する物語だ。

主人公2人の他にも、“これでもか”と言わんばかりの美男美女のキャストを揃え、主題歌は緑黄色社会の「サマータイムシンデレラ」を採用、フジテレビヤングシナリオ大賞の大賞を受賞した市東さやかのオリジナル脚本で、若者の恋物語を爽やかに描いているのだが、初回の30分拡大放送から視聴率6.9%と振るわず、その後も低空飛行を続け、ついに最低視聴率は5%を切る4.7%という“歴代月9ワースト”を記録し、打ち切り説まで流れた。

番宣にも積極的に主演し、プロモーションに務めた森の努力も空しく、SNS上ではツッコミどころ探しで盛り上がるという、あまりにも粗末な扱いを受ける。不振の理由には、様々な要素が挙げられるが、その中でも一番の“敗因”は、事実上のデビュー作となる市東の脚本が大きいといわれている。

純粋な若者たちの青春群像劇を描いたものの、キャラクター設定からストーリーに至るまで“今どき、こんなことがあるわけない”とメインターゲットの若い視聴者層にまでソッポを向かれてしまった。

月9枠に本格ラブストーリーを持ってきたのは、2017年に西内まりや主演で製作された『突然ですが、明日結婚します』以来だったが、これはフジ上層部の懐古主義によるものだったとも囁かれた。

本作まで月9枠では、『ラジエーションハウス』(2019年、2021年)や『監察医 朝顔』(2019年~2021年)といった医療ドラマや、『HERO』(2014年)や『SUITS』(2018年、2020年)などのリーガルもの、映画化された『ミステリと言う勿れ』(2022年)などのエンタメ色の強い作品で成功を収めていたが、再びラブストーリーを復活させたフジテレビ。本作に続き、『君が心をくれたから』の評判も芳しくない中で、4月からは、広瀬アリス主演による『366日』の放送が始まる。

果たしてフジテレビは視聴者のニーズをどう捉えているのか。

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