『風の谷のナウシカ』は短編映画の予定だった?
月刊アニメ雑誌・アニメージュは元々、漫画であった『風の谷のナウシカ』をわずか10分程度の短編映画にしたいと考えていた。
同漫画のメインストーリーは保ち、その奥が深く神秘的な世界観の全てを構築することには重点を置かず、本作を映像化することを勧めたのだ。
宮﨑駿は、同誌主催のイベント「アニメグランプリ」での上映用に短編映画として映像化する事を提案され、主人公ナウシカの幼少期を描く企画を提示されたが、結局実現には至らなかった。
その後、OVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)の企画も挙がっていたが、70分程度の長編映画ならと受諾したものの、結果として採算が合わないという理由でこの件も実現には至らなかった。その後条件付きで長編アニメ映画案が上がり、最終的に映画化と全国ロードショー公開が実現することになった。
今では名作として数多くのファンに愛され続ける『風の谷のナウシカ』の長編映画化までには、知られざる苦悩が隠れていた。