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『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年)

考察④ゴジラのライバル怪獣たちは日本の神話がモデルとなっている

映画『メカゴジラの逆襲』の劇中写真
映画メカゴジラの逆襲の劇中写真Getty Images

上映時間:105分
監督:金子修介
脚本:長谷川圭一 横谷昌宏 金子修介
キャスト:新山千春、宇崎竜童、吉田瑞穂、大橋明、太田理愛、佐野史郎、小林正寛、南果歩、大和田伸也、篠原ともえ

【作品内容】

グアム島沖で消息を絶った米原子力潜水艦の捜索に向かった防衛海軍が、海底でゴジラと思われる生物を発見した。

48年前、ゴジラの上陸で家族を失った防衛軍の立花准将(宇崎竜童)は、ゴジラ襲来を警戒するよう軍上層部に促すも、平和に慣れきった軍は自らの兵力を過信し、立花の言葉を黙殺する。

同じ頃、日本各地で若者たちが何物かに襲撃されるという事件が起こっており、立花の娘で記者の由里(新山千春)とサイエンス・ライターの武田(小林正寛)は、バラゴン(婆羅護吽)、モスラ(最珠羅)、ギドラ(魏怒羅)の日本古来の怪獣が眠っている場所と事件発生現場が一致していることを掴み、調査を開始する。

【注目ポイント】

本作では、日本古来の神話が現代の物語に織り交ぜられている。

というのも、守護聖獣である「バラゴン」、「モスラ」、「キングギドラ」は、日本の古代王朝時代に根差す伝説の生き物、具体的にはそれぞれ、「狛犬」、「鳳凰」、「ヤマタノオロチ」の伝説を体現しているのである。

この設定は、本作が単なる怪獣映画という枠を超え、日本古来の神話を織り交ぜており、日本人が古来から信じてきた自然との調和、そして調和を乱す現代社会の科学技術の進歩、すなわちゴジラとの衝突を象徴しているのである。

守護聖獣は、自然界と人間界の調和を守るための存在であり、対決するゴジラは核の象徴としての人間の傲慢な力の産物を表している。

本作では、ゴジラは太平洋戦争の犠牲者の怨念が具現化した存在とされており、過去の過ちを忘れてはならないという警鐘であると同時に、歴史を直視することの重要性を強調しているのである。

加えて聖獣たちを日本の守護者として描くことで、日本国民としてのアイデンティティと、歴史への責任について考えさせられるきっかけを与えてくれている。

本作は、単なるエンターテインメントを超え、文化、歴史、倫理、環境に対する深い考察を観客へ提示しており、日本の伝統的な価値観と現代社会との間に存在する緊張や対決を映し出しおり、自然との共生、過去の反省、そして未来への希望を考えさせる作品である。

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