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大河ドラマで“主役を食う”活躍をみせた俳優といえば? スゴい演技を披露した役者5選。視聴者の脳裏に焼きつく名芝居を厳選

text by 寺島武志

日本ドラマ作品の代表格であるNHK大河ドラマ。主人公の人生と歴史のうねりを1年かけて描く壮大なドラマは、脇役にも若手実力派から往年のベテランまで幅広く起用。中には主役に匹敵するほどの名演技を見せる者も。今回は歴代大河ドラマの中で、視聴者の脳裏に焼きついた名脇役5人をセレクト。作品の魅力とともに紹介する。(文・寺島武志)

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本作でブレイク
独特な存在感を見せた切腹シーン

『新選組!』堺雅人(山南敬助)

堺雅人
堺雅人Getty Images

放送期間:2004年1月11日~12月12日
脚本:三谷幸喜
最高視聴率:26.3%
キャスト:香取慎吾、佐藤浩市、江口洋介、藤原竜也、山本耕史、オダギリジョー、中村勘太郎、石黒賢、沢口靖子、中村獅童、ささきいさお、野田秀樹

【作品内容】

三谷幸喜が大河ドラマに初挑戦した作品であり、司馬遼太郎や池波正太郎、佐木隆三らが著した歴史小説とは全くテイストが異なり、必要とあれば史実を無視し、大胆なフィクションを盛り込み、挑戦的なキャスティングも含めてエンタメ色の濃い作品として新選組を描いた異色作。

【注目ポイント】

本作で、新選組を知の面から支えた山南敬助役を演じ、ブレイクを果たしたのが、当時31歳の堺雅人。山南は、後に土方とのすれ違いをきっかけに切腹することになるのだが、この放送当日の反響の電話が鳴り止まず、その年末のアンコールでも1位に選ばれるほどインパクトのある演技を見せた。

本作の影響により2007年より山南を弔う「山南忌」が京都の旧前川邸界隈で行われている。(ちなみに「山南忌」は2024年時点で第18回を迎えた)

「どんな席でも膝を崩さず、腕組みして考え事をする。口もとに笑みをたたえながらも、なぜか目つきは鋭い」と役柄について話していた堺。「ただ温厚なだけではない、屈折した何かを抱えた人物」として演じていたと話すように、その独特の存在感は多くのファンの心に残った。

本作では悲劇的な最期を遂げ、途中退場となった堺だったが、その演技によって一気にその名前が売れ、テレビドラマや映画のオファーが相次ぎ、人気俳優の仲間入りを果たす。大河ドラマにも2008年の『篤姫』での徳川家定役に続き、2016年の『真田丸』では真田信繁役として主演を果たすことになる。その後の活躍ぶりは改めて記すまでもないだろう。

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