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映画の長期保存を可能にした
富士フィルムの「ETERNA-RDS」

フィルム
映画のフィルムGetty Images画像はイメージです

2012年、第84回アカデミー賞科学技術賞を受賞したのは、映画を長期保存する「ETERNA-RDS」というフィルムを開発した富士フィルムだ。

完成した映画の保存方法は、35mmフィルムを使うアナログ方式と、ストレージにデジタル保存する方式がある。映画のデジタル化が進む中ではデジタル方式の方が簡単なのだが、CDやDVD、ハードディスクといった記録メディアの劣化や寿命、テクノロジーの発展による再生機器の入れ替わりが理由で定期的なアップデートが求められている。当然コストがかかるが、それ以上にデータが破損した場合の修復が困難であることもデメリットだと考えられていた。

この問題の解決に挑んだのが、富士フィルムだ。

同社は、カラー画像を3色に分解し、白黒画像として記録するアーカイブ用のフィルムを開発した。古いハリウッド映画などの保存に積極的に使われているだけでなく、スタジオジブリの『風立ちぬ』や『かぐや姫の物語』『アーヤと魔女』も「ETERNA-RDS」で保存されている。適切な温度と湿度下であれば、500年もの寿命が期待されるそうだ。

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