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アニメオリジナルのエンディング

『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』【原作者:豊田悠の公式インスタグラムより】
30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい原作者豊田悠の公式インスタグラムより

アニメ終盤では、相談なしに長崎への転勤を断ろうとしていた安達に黒沢が感情をぶつけるシーンがある。

完璧を装うのが上手い黒沢と離れることを不安に思っていた安達だが、本当に好きだからこそ不安になるのだという気持ちを正直に手紙で伝えた。

けれど黒沢への愛しさは言葉だけでは伝えきれない。どのように安達が心から望んで黒沢と結ばれたのか、アニメでも深く描かれている。安達からの口づけ、窓ガラスに映し出されるふたりの求め合う姿からも目が離せない。

そして、アニメはオリジナルのエンディングを迎えており、本編ではプロポーズまでを描き、安達から一緒に住むことを提案し、黒沢も同じタイミングで指輪を渡した。

黒沢の秘かな片想いから始まった関係だったが、今では安達も同じぐらいの重さで黒沢を愛するようになっていて、アニメ全話を通してふたりの愛の深まりが改めて心に沁みていく。

黒沢と付き合い始め、離れたくないという感情が芽生え、そんななか黒沢が自分にとって愛しい存在であると自覚していた安達。今では魔法が使えなくても黒沢となら大丈夫と思えるようになったのだ。

安達と黒沢の心情が込められたOP&EDも話題となった本作。OPテーマは”声にならないよ”が歌う「はじめては全部君がいい」、EDテーマは安達 清・黒沢優一(CV:小林千晃 ・鈴木崚汰)の「マジカルラブ」。本編からEDへの繋がりにも惹き込まれ、『チェリまほ』の余韻にいつまでも包まれる。

(文・藤崎萌恵)

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