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時代の流れをしっかり表現している現代の任侠映画

『ヤクザと家族 The Family』(2021)

写真:Wakaco
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ーーーまた、意外な邦画が挙げられました。

「私、邦画って、あまり観ない方なんです。でも、映画の趣味がすごく合う友達に勧められて、久しぶりに邦画を鑑賞したんです」

ーーーまず、どこに惹かれましたか?

「裏社会モノが、そもそも好きなんですね。特に、この映画のように、昔、警察と裏社会の人たちの均衡が、何だかんだ取れていて、その地域をお互いが守っていた時代があって。でも、現代では、そうはいかないということにリアリティーさを感じまして。時代の流れをしっかりと表現している作風に惹かれました。主演の綾野剛(山本賢治役)さんの演技も、とても芯があって魅力的でしたし」

ーーーお若いのに、観察力が鋭いですね。

「今の世の中って、若者がよくないことを中途半端にして、警察も介入せざるを得なくなるような事件が多いじゃないですか。そういった現実への問題定義にもなっている映画だなと」

ーーー本作で心に残ったシーンはありますか?

「主人公・山本が、自分は抹殺されそうになりますが、難を逃れる。でも、その後、ヤクザとして生活ができないから、同じ組の兄弟だった細野竜太(市川隼人)の紹介で、工場で働くことになるシーンですかね。で、細野と何気ない写真を撮ってSNSに挙げたら、『この人ヤクザの人だよ』ということが職場にバレてしまって、その時家庭を持っていた細野も一緒にクビになってしまうんです…それを経て、細野が怒りを露わにするところに、現代の人付き合いの難しさが現われているなと感じました。2人とも、良い人なんですけどね…」

ーーー舘ひろし(柴咲組組長・柴崎博役)さんは、いかがでしたか?

「いや~、それはそれはカッコよかったです! まさに、イケオジですね~」

ーーーそうですよね、若いころからずっと貫禄のあるイケオジでしたからね(笑)。

「あ! 舘ひろしさんももちろん好きなのですが、私、日本の俳優さんで言うと、水谷豊さんが一番好きなんです!」

ーーーこれは、また、イケオジで(笑)。

「おじさんだから、好きっていうわけではないんですけどね(笑)やっぱり『相棒』(2000〜・テレビ朝日)を10代のころに観て、そのシブさに惚れこんでしましました」

ーーードラマですけど、『傷だらけの天使』(1974・日本テレビ系)や『熱中時代』(1978〜1981・日本テレビ系)なども、どこかで観られるようでしたら、お薦めします。是非、若かりしころの水谷豊さんを。

「わ~、チェックしてみますね!」

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