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後味の悪いラストが記憶に深く残る

『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)

写真:Wakaco
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ーーー名作であり、賛否が分かれる作品ですね。

「はい。でも、私の中ではめちゃくちゃ良い映画だなと思っています。タイトル通り、『ペイ・フォワード』=『善意を他人へ回す』という作品のテーマと、少年・トレヴァー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)の行動とにグッときましたし、入り込めました」

ーーートレヴァーの行動は、教科書に載せたいくらいですよね。

「ええ。トレヴァーの親や周囲の人には、色々と問題があったりで、彼は子供心に傷付いているわけです。それでも負けずに純粋な心で、そのような行動を取って、それが様々な人たちに受け継がれていくって、泣かないわけがないじゃないですか…」

ーーー紫藤さんは、かつて子役でもあったわけですが、そういう経験があると、かつてのハーレイ・ジョエル・オスメントに対する目線が違ったりするのでしょうか?

「いえいえ、私なんかがそんなおこがましい…目線や見方が違うというよりは、ただただ、よくそれだけ集中力持つなという、尊敬の念しかないですね。例えば、最近の日本人の子役で言うと、永尾柚乃ちゃんなんて、すごいですよね」

ーーー本当に。『ブラッシュアップライフ』(2023・日本テレビ系)でも好演でした。

「本当に尊敬します! ただ、私も子役をやらせていただいていた環境のおかげで、年齢の割に落ち着いているなどと、言っていただいていたことがあったので、本当に良い経験になりましたね」

ーーーそういった経験が、塾講師業にも、活きたということはありますか?

「いえいえ、それもおこがましいです。あんまり、ないですかねえ…。そもそも、講師になんて、全然向いていないと思っていましたし。元々、自分が通っていた塾側から誘われたのですが、子役も講師も、今の自分の経験になっているので、私も俳優業をまた再開しているので、今後の活動に活かしたいですね」

ーーー冒頭も言った、賛否が分かれる今作のオチなのですが…

「あのラストは、悲しいですけどね…。でも、トレヴァーの想い、伝えたいことが、世界中のみんなに響いていったという、そういう物語だとして、私の中では心に留めています。ただ、『あれは、ない!』と思う方々の気持もすごくわかります」

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