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ジブリ作品では異色…?
ほっこり癒される「猫の国」

『猫の恩返し』劇中写真
© 2002 Aoi HiiragiReiko YoshidaStudio Ghibli NDHMT

本作の画は原作のタッチに準拠しており、いわゆる宮崎駿のタッチではない。しかし、物語の設定上はスタジオジブリらしい風味を残している。

『千と千尋の神隠し』(2001)や『ハウルの動く城』(2004)をはじめ、宮崎作品では、化け物が跋扈する異界と現実の境界が舞台として設定されることが多く、主人公の女の子はこれらの世界を往還し、戸惑い、ピンチを乗り越えながら成長していく。

『猫の恩返し』にも、猫たちが登場する「猫の国」と、人形のバロンやガーゴイルのトトが登場する現実と猫の国の中継地点「猫の事務所」が登場する。現実・事務所・猫の国。この3つの世界を行ったり来たりするからこそ面白いのだ。

とはいえ、本作の場合、従来の宮崎作品と比べてかなりポップに描かれている。また、登場する「化け物」たちも猫ばかりなので、終始かわいく癒されるのが特徴だ。

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