名作に藤原竜也アリ! 蜷川幸雄お墨付きの天才俳優
藤原竜也
【注目ポイント】
蜷川幸雄の舞台『身毒丸』(1997)で、5,000名の中から選出され、演技未経験ながら若干15歳で俳優デビューを果たした天才・藤原竜也。以来、『バトル・ロワイアル』(2000)や『デスノート』(2006)、『カイジ 人生逆転ゲーム』(2009)など、数々のヒット作に主演してきた。
とはいえ、彼が実力を発揮するのはなにも主演映画だけではない。『るろうに剣心 京都大火編』(2014)では、主人公・緋村剣心(佐藤健)の最大の敵である志々雄真実を演じ、改めてその演技力が高く評価されている。
この役、全身が包帯でぐるぐる巻きにされているため、表情が良く見えない。しかし、藤原はこのハンデを蜷川幸雄お墨付きの圧倒的な演技力でねじ伏せ、原作ファンを唸らせた。
受賞した映画賞は数知れず、名作に藤原竜也あり―。そんな藤原の唯一の欠点は、ヒット作が多すぎて代表作に何を選んでいいのか迷ってしまうところだろう。
というわけで、今回は藤原竜也のフィルモグラフィの中でも意外な一本をセレクトしてみた。
藤原竜也の演技を堪能するためのお勧めの一本
『カメレオン』(2008)
本作は、『座頭市 THE LAST』(2010)や『北のカナリアたち』(2012)で知られる阪本順治監督作品。原案は、松田優作主演の“遊戯シリーズ”として制作されるも実現しなかった映画『カメレオン座の男』で、脚本は現代の設定に合わせて大幅にリメイクされている。
本作で藤原が演じるのは、相手によってカメレオンのように顔を変える詐欺師・野田伍郎だ。彼はある日、仲間たちと詐欺に成功した帰り道に政府要人の拉致現場を目撃。それが原因で、仲間たちを次々と失ってしまう。そして、魔の手は街で出会った占い師の小池佳子(水川あさみ)にも及ぶようになり、伍郎は自らの無念を晴らすため、復讐を計画する。
『デスノート』の夜神月では、爽やかな印象があった藤原だが、本作では一転、ツンツン頭に無精ひげを生やした姿で危険なアクションシーンもこなしている。特に、藤原が仲間の復讐の為に感情を爆発させるシーンは彼の真骨頂といえるだろう。役作りには苦労したそうだが、藤原竜也の役の幅が確実に広がった作品だ。
なお、藤原は本作で第18回日本映画プロフェッショナル大賞にて主演男優賞を受賞している。
(文・野原まりこ)
【関連記事】
今、最も演技が上手い30代俳優は? 圧巻の芝居で魅せるカリスマ5選。日本映画界を牽引する天才をセレクト&魅力を深掘り解説
今、最も演技が上手い20代俳優は? 2024年に大躍進が期待される逸材5選。芝居に定評のある国宝級イケメンをセレクト
今、最も演技が上手い20代女優は? 日本映画界の未来を担う逸材5選。芝居に定評のある天才をセレクト&魅力を深掘り解説