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2024年春ドラマで最も株を上げた俳優は? 見事な芝居で視聴者を魅了する役者5選。作品の魅力を引き立てる名演技を解説

text by 寺島武志

現在放送中の2024年春ドラマも、大半の作品が前半戦を終えて折り返しに入った。今期は粒ぞろいの作品群のなかでも、作品の顔とも言える俳優のその見事な芝居が、話題を呼んでいる。今回は、2024年春ドラマで最も役者として株を上げた注目の俳優5人をセレクト。新境地とも言える快演ぶりをご紹介する。(文・寺島武志)

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物語を引っ掻き回す役柄で新境地を開拓

竹内涼真『Believe―君にかける橋―』(テレビ朝日系)

竹内涼真(東京コミコン2017より)
竹内涼真【Getty Images】

【注目ポイント】

まさに、“キムタクを食う”怪演を見せているといっていいかもしれない。無実の罪で投獄され、その後に脱獄した、木村拓哉演じる主人公・狩山陸を執拗なまでに追い詰める刑事・黒木を演じている竹内だが、実は、第1話での崩落事故の犠牲者・若松としても登場、1人2役を務めている。

若松は、死に際に狩山に「すいません…」と、謝罪の言葉を残しながら命尽く。一方の黒木は全く正反対のキャラクターで、刑事とは思えないほどヘラヘラした態度で狩山の妻・玲子(天海祐希)に近付き、イラつかせ、若松との関係を問われれば生き別れの兄弟だった事実をアッサリと認める。つかみどころのない男を演じている。

竹内は『仮面ライダードライブ』(2014)出身であり、東京Vユースから立正大サッカー部に所属していたことから、その運動神経を生かした役で実績を積み重ね、2020年には『テセウスの船』で日曜劇場の主演の座を射止めた。

どちらかといえば正統派のイメージが強い竹内だが、本作では刑事とはいえ、どこか腹に一物持っているような、“はみだし系”として、物語を引っ掻き回す悪役テイストが強めの役を演じ、新境地を開拓した感がある。

この、クセのある演技が評価されれば、悪役のバイプレーヤーとしてオファーが殺到する可能性が高まるのではないだろうか。

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