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家庭用ビデオテープレコーダー開発競争を描いた
胸がアツくなるノンフィクション

『陽はまた昇る』(2002)


出典:Amazon

製作国:日本
監督:佐々部清
原作:佐藤正明
脚色:佐々部清、西岡琢也
キャスト:西田敏行、渡辺謙、緒形直人、仲代達矢

【作品内容】

日本経済が初めてマイナス成長に陥った70年代前半、家電メーカー業界8位の日本ビクター本社開発部門に勤め、あと数年で定年を迎える開発技師・加賀谷静男(西田敏行)に、横浜工場ビデオ事業部への異動命令が下りる。そこは赤字続きの非採算部門。加賀谷に課せられた指令は大規模なリストラだった…。

【注目ポイント】

主人公は、日本ビクター本社開発部門に勤める開発技師・加賀谷(西田敏行)。彼は人材こそ何よりの財産と考えており、一人の解雇者も出さないために極秘のプロジェクトチームを結成。本社に悟られぬようにしながら、家庭用VHSの開発に着手する。

映画陽はまた昇るは家庭用VHSの開発競争を描いているGetty Images

それを聞いた次長の大久保修(渡辺謙)は止めに入る。本社がリストラ対象の赤字部門にそんな計画を認めるはずもない。ましてやこの時、家電メーカーのソニーが、家庭用VTRの商品化にあと一歩の所まで漕ぎ着けていた。

かくして、家庭用VTRの規格争いが起こり、ビクターが開発したVHSと、ソニーが開発したβマックス(ベータ)が激しく戦うことになる。

加賀谷の熱い想いは社員たちに伝わり、開発に向けて動き出すものの、開発に取り組んでいる最中、ソニーが一足先にベータを発表。加賀谷たちは焦りの中、より懸命に開発に打ち込む。加賀谷たちが目指していたのはベータよりも長い、2時間録画の商品だ。紆余曲折の末、加賀谷たちはベータマックスを超える商品の開発に成功する。

しかし、この頃にはすでにベータが世間に認知されていて、国内の規格がベータに統一されようとしていた。加賀谷は親会社・松下電器の相談役である松下幸之助(仲代達矢)を訪ね、直接、開発したVHSをアピールする。松下幸之助はVHSの性能を認め、VHSは販売されるや、大成功を収める。

通産省が新規格を出してはいけないと通達した期日の前日に、VHSは販売をスタートした。まさにギリギリの攻防である。ところが、VHSの売り上げが好調の中、加賀谷の妻が病に倒れ、加賀谷は妻のために会社を辞める決意をする。

最後の出勤日に工場を訪れた加賀谷。そんな彼を待っていたのは従業員たちによる「VHS」の人文字だった。本作では“家電王国・日本”の雰囲気が見事に表現されており、その熱量は、現代にも通じるものといえよう。

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