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信長が実は高校生だったら!?
斬新なアイデアが光る戦国エンターテインメント

『信長協奏曲』(2014、フジテレビ系)

小栗旬

小栗旬【Getty Images】

原作:石井あゆみ
脚本:西田征史、岡田道尚、宇山佳佑、徳永友一
キャスト:小栗旬、柴咲コウ、向井理、藤ヶ谷太輔、夏帆、藤木直人、濱田岳、髙嶋政宏、山田孝之

【作品内容】

 勉強が苦手でお調子者の高校生サブローは、修学旅行で訪れていた歴史時代村で、転んだ拍子に戦国時代へタイムスリップしてしまう。うろうろとほっつき歩くサブローに、とある侍が近づき、刀を渡して次のように声をかける。「わしの代わりに、織田信長として生きてくれぬか」ー。この侍こそ、戦国三英傑の1人とうたわれた織田信長その人だった。

【注目ポイント】

 戦国の世を生き抜き、天下統一目前で散った戦国武将、織田信長。そんな織田の正体が実はお調子者の高校生だったらー。そんな奇想天外なアイデアから生まれた作品が、『信長協奏曲』だ。

 原作は、2011年に第57回小学館漫画賞少年向け部門を受賞した石井あゆみの人気漫画。主演の小栗旬が織田信長とサブロー、明智光秀の3役を演じている。

 恋愛ドラマ枠として知られる月9史上初の時代劇となる本作は、当初、TVドラマ、映画、アニメの3メディアで描く巨大プロジェクトとして構想されており、2014年にTVアニメが公開後、2016年にドラマ版と同じキャストで映画化され、興行収入46億円の大ヒットを記録した。

 そんな本作の魅力は、典型的な現代っ子が戦国武将になったら、という思考実験の面白さにある。特に、サブローがパンが食べたいだの袴を履きたくないだのと駄々をこねたり、いちいち歴史の教科書を紐解きながら「答え合わせ」をしたりするシーンは、観客の笑いを誘う。

 また、ファンタジーもの特有のトンデモ展開も、本作の大きな魅力だろう。作中では、なんと、サブローに「織田信長」を譲った織田信長が、なんと「明智光秀」として復活し、サブローと対峙する。ガチの歴史好きは鼻をつまみそうな展開だが、ファンタジーだからなんでもありなのだ。

 現に、本作を見て歴史に興味を持ったという視聴者の声も多い。日本史の入門編としても打ってつけの作品だ。

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