監督に思わずDMを送った珠玉の一本
『帰ってきた あぶない刑事』(2024)
――最後にご紹介いただくのは、2024年に公開されたばかりの『帰ってきた あぶない刑事』ですね。これはテレビシリーズの放送が1986年ですが、リアルタイムでご覧になっていたのでしょうか。
「いえ、再放送ですね。小学校の頃、学校から帰ってきたらよくやっていて、なんとなく観ていました。で、今、僕は横浜に住んでいるんですが、日の出町あたりをうろうろしていたら、なんか撮影をやっていて、コワモテの俳優さんたちがたくさんいたんですね。はじめはヤクザ映画でも撮っているのかな? と思ったんですが、今振り返って見ると、『帰ってきた あぶない刑事』の撮影だったんだと気づいて、Huluでドラマと映画を一気に見返しました」
――今回の『帰ってきた あぶない刑事』は、劇場版8作目で、前回の『さらば あぶない刑事』から約8年ぶりの復活になりました。ご覧になって、いかがでしたか?
「もう最高でしたね! 観た後、思わず監督に「今までの作品で一番でした」ってDM送っちゃいましたもん(笑)。物語も映像も自然でしたし、なんといっても、ヒロインの吉瀬美智子さんが最高でしたね。シャープで凛としていて、「あぶ刑事ヒロイン」にピッタリでした。
あと、僕、真山薫役の浅野温子さんが大好きなんですよね。ドラマシリーズが終わってからは、どちらかというと色モノ的な感じで出演されているんですが、ずっと出ていただけているのが僕としてはとても嬉しい限りです」
――桃井かおりも浅野温子も、どこかスクリーンにフックを残す女優ですよね。
「そうですね。透明すぎるよりは、違和感を残す女優の方が、僕の好みなのかもしれないですね」
――本作は、横浜にある架空の警察署が舞台になっています。鉄平さんが感じる横浜の魅力を教えてください。
「開放的で自由なところですかね。特に、海に面した山下公園に行くと、結構みなさん思い思いの時間を過ごしてらっしゃって、そういった開放的な雰囲気は、他の町にはない港町ならではの魅力ですね。
あと、実は、横浜って占いにも縁が深い土地なんですよ。『高島易断』ってご存知ですかね? 毎年年末になると、本が書店で平積みされるんですが、この占いの考案者が、横浜発展に尽力した高島嘉右衛門という実業家なんですね。なので、横浜という街に住むことになったのも何かのご縁なのかな、と思っています」
――なるほど、それは横浜から離れられないですね。ちなみに横浜は、『帰ってきた あぶない刑事』をはじめ、映画やドラマの舞台になることが多い街でもありますよね。
「そうですね。散歩していても、映画やドラマの撮影に本当によく出くわしますから。もしかすると、フィクションの世界に住んでいることに悦に浸っているのかもしれないですね」
――ありがとうございます。配信がはじまったら、また熱中して観てしまいそうですね。
「そうですね。ちなみに既に、劇場で2回観てます(笑)」
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