愛憎渦巻く作品で“ラスボス感”を醸し出した
田牧そら『スカイキャッスル』
韓国ドラマのリメイク作品『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)。高級住宅街に暮らすセレブ妻たちの見栄とプライドをかけた苛烈な戦いのなかで、主演の松下奈緒や木村文乃、比嘉愛未、高橋メアリージュンといった女優陣を凌ぐ“ラスボス”を務めたのは、弱冠18歳の女優・田牧そらだ。
田牧演じる山田未久は、シングルマザーの母・希美(映美くらら)と質素に暮らしていた成績優秀な中学3年生。ところが、母が病に倒れ、命を落としてしまう。これをきっかけに自分の父親が成績上位を争うクラスメイト・浅見瑠璃(新井美羽)と同じ人物であることを知る。
母を捨てた父への恨み、本来は自分が手にできていたはずの豪華な生活…。それらを取り戻すように、未久は瑠璃の母・紗英(松下奈緒)を脅す。
20以上歳の離れた大人をも手の上で転がす様子は、まさに“ラスボス”。普段はおとなしそうな顔を見せていながら、ここぞのときに剥き出しになった敵意には背筋が冷たいものが走る瞬間があった。
また、印象的だったのは田牧の声色だ。感情を押さえようとしているときに発する低い声が、なんとも魅力的だった。
圧巻の存在感を発揮していた田牧。もっと観る者に恐怖を与える役も、思いっきり幸福を享受する役も、どちらも観てみたい注目の俳優だ。