『宙わたる教室』『団地のふたり』と名作を量産するNHKドラマ、最近、より面白くなっているワケ。民放とは異なる強みを解説
text by 苫とり子
月9、日曜劇場など話題の民放ドラマは数あれど、近年、コアなドラマ好きほど注視しているのが、意外にもNHK制作のドラマだ。NHKといえば、”朝ドラ”や大河ドラマが一般的だが、その他、民放ドラマとはまた違う独自の強みを生かした作品を次々と世に送り出している。今回は、そんなNHKドラマの魅力を紐解く。(文・苫とり子)
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
朝ドラと大河ドラマだけじゃない!
秀作ぞろいのNHK制作ドラマの魅力とは?
今年の秋ドラマは豊作との声が漏れ聞こえてくる。なかでもコアなドラマファンから熱い視線を注がれているのが、NHK制作の作品だ。
エンタメレビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」が10月30日に発表した2024年秋ドラマの初回満足度ランキングでは、3位に窪田正孝主演の『宙わたる教室』、8位に安達祐実と青木崇高が夫婦役を演じる『3000万』がランクイン。
秋ドラマの枠からは外れるかもしれないが、今月3日までNHK BSにて放送されていた小泉今日子と小林聡美W主演の『団地のふたり』も高い評価を受けていた。
ここ数年放送されたドラマを振り返ってみても、NHKは二大看板である朝ドラと大河ドラマ以外の枠でも心に残る秀作を世に送り続けている。例えば、次々と挑戦的なテーマを打ち出して話題を呼ぶ「ドラマ10」、通常のドラマより回数が短く内容は濃い「土曜ドラマ」、若年層をターゲットにしたユニークな作品が多い「よるドラ」などがある。
そうした枠から生まれた作品を例に、具体的にどういった点が支持されているのか、NHKドラマの魅力を紹介したい。