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秋ドラマで最も株を上げた俳優は? 最高の演技で魅了する役者5選。芝居が上手すぎる…圧巻の実力で魅せる旬の才能

text by 平良真咲

2024年の秋ドラマも盛り上がっている。今回は、現在放送中の秋ドラマに出演する俳優をピックアップ。キャリア十分の実力派や新境地を開拓した若手の中から、今季、最も役者として株を上げた注目の男性俳優5人を選出し、その魅力を解説する。(文・平良真咲)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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細部まで考え抜かれた芝居が素晴らしい

坂東龍汰『ライオンの隠れ家』(TBS系)

坂東龍汰 写真:武馬玲子
坂東龍汰 写真:武馬玲子

 ヒューマンサスペンスとして物語の続きが気になっている人も多いであろう「ライオンの隠れ家」。第一話が放送された際、多くの人が驚いたのは自閉スペクトラム症をもつ青年・小森美路人を演じる坂東龍汰の繊細な芝居だろう。

 まずはその動き。目や手足、頭など、とにかく細かい。兄である洸人や勤務先の同僚たちとは目を合わせるが、心を許していない人とは絶対に目を合わせない。捉えられないように、俯いたりくるくる動かしたりしながら避けていく。また、手足は落ち着きのなさの表現だろうが、目の前にある(美路人にとっては)膨大な情報の処理を手伝っているかのようにも見える。

 それらを同時に行い、しかも、それがとても自然に見えるのだ。どれほどの神経を使い、細部まで考え、芝居をしているのだろう。

 一方で、これも自閉スペクトラム症の特性であるともされているが、美路人も物事をそのまま真っすぐ受け取る節がある。それが会話の端々に出てくる様子に、周囲はハッとさせられることも。坂東が演じる美路人は、これが愛嬌となって映ることも魅力のひとつだろう。

 物語も終盤に差し掛かり、美路人はますます、これまでに経験したことのない感情に出会っていくはずだ。それを坂東がどのように表現していくのか楽しみだ。

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