カルト的人気で世界を席巻!ソ連を代表する脱力系SFコメディ
『不思議惑星キン・ザ・ザ』
監督:ゲオルギー・ダネリヤ
脚本:ゲオルギー・ダネリヤ、レヴァズ・ガブリアゼ
出演:スタニスラフ・リュブシン、レヴァン・ガブリアゼ、エフゲニー・レオーノフ、ユーリー・ヤコヴレフ
【作品内容】
建築家のマシコフはある日、学生ゲデバンから「自分は異星人だという男がいる」と助けを求められる。にわかには信じられないマシコフが、男たちが持っていた空間移動装置のボタンを押すと、二人は砂漠のど真ん中へとワープしてしまう。そこはキン・ザ・ザ星雲にある惑星ブリュクだった。
【注目ポイント】
本作は、1986年にソ連時代のジョージアで制作されたSFコメディ。監督は名匠・ゲオルギー・ダネリヤで、公開されるやソ連全土で1520万人という驚異の動員を記録した。なお、キャストにはエヴゲーニー・レオノフらロシア演劇界を代表する〈人民芸術家〉たちが名を連ねる。
本作を語る上で外せないのは、何より「クー!」だろう。中腰ガニ股で頬を叩き、両腕を開いて「クー!」(これが異星人の唯一の言葉である。)また、散りばめられたブラックユーモアやチープなセットも必見。脱力系の絵面につい笑みが漏れてしまう。
なお、本作のユーモラスな描写の裏には、ソ連の社会主義への批判が込められているとも言われており、検閲を逃れた理由は、監督・ゲオルギーの知名度が唯一の理由だという。彼はその後アニメ版の『クー!キン・ザ・ザ』も監督。こちらも併せてチェックしたい。