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アニメ界の俊英・新海誠監督が描く「セカイ系」の到達点

『君の名は。』

監督:新海誠
脚本:新海誠
出演:神木隆之介、上白石萌音

【作品内容】

岐阜県の山間の町・糸守に住む女子高生・三葉。ある日、彼女が目を覚ますと、東京の男子高校生・瀧と身体が入れ替わっていた。閉鎖的な田舎暮らしから解放され、東京での生活を満喫する三葉。一方、三葉と入れ替わった瀧は、糸守での慣れない生活に苦労する。当初、入れ替わりが夢だと思っていた二人。しかし、これが現実の現象だと気づきはじめる―。

【注目ポイント】

新海誠監督Getty Images

本作は、『すずめの戸締まり』で知られるアニメーション監督・新海誠の6作目の監督作品。世界での歴代興行収入で『千と千尋の神隠し』に次ぐ2位にランクインするなど、世界的なヒットを記録した。

本作は、いわゆる「セカイ系」の代表作とされる作品である。「セカイ系」とは、個人的な恋愛関係が、世界の終末などの大きな問題を左右する物語構造のことで、嚆矢は庵野秀明監督の『新世紀 エヴァンゲリオン』とされる。

なお、本作では、三葉と瀧のラブロマンスと、糸守を隕石による災害から救うという2つの物語がリンクしている。2011年に発生した東日本大震災以降、一貫して災害をテーマとした作品を制作している新海。本作は、新海の他者・死者への哀惜の念が昇華した「セカイ系」の到達点であるといえよう。

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