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大人の起業を描いた映画からティーン映画へ

映画『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』
映画ゴーストバスターズフローズンサマー

1984年の第一作では大学を辞めたピーター・ベンクマン(ビル・マーレイ)、レイモンド・スタンツ(ダン・エイクロイド)、イゴン・スペングラー(ハロルド・ライミス)の3人の科学者が、その科学的知見を元に幽霊退治の会社を始めるという、いわば起業ストーリーがベースとなる。

つまり幽霊退治という映画であるものの、物語は大人たちによる人生一発逆転の大人向けの物語であった(パート2では彼らが落ちぶれているというのも面白い)。

そして続編として38年の時を経て登場した『~アフターライフ』ではオクラホマ州サマーヴィルを舞台に、イゴン・スペングラーの孫娘で科学オタクのフィービー(マッケナ・グレイス)が祖父であるイゴンの遺産「ゴーストバスターズ」を受け継ぐという物語となった。知られざる祖父の秘密、家族の絆など、フィービーを主人公にしたジュブナイル映画なのだ。

そして今作『~フローズンサマー』では、舞台を遂に第一作と二作目のニューヨークに移し、前作でゴーストバスターズという“天職”を得たはずだったフィービーが大人社会にぶつかり、自分の居場所を失い悩み葛藤する。

また、前作から登場するポール・ラッド演じるゲイリーは今作ではフィービーの母キャリーのパートナーとなっていることで、フィービーたち家族の微妙な関係も描かれる。

そう、今作の『ゴーストバスターズ』はティーン映画となっているのである。

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