④個性豊かな脇役陣が素晴らしい
主演2人はもちろんのこと、友人のカップルとして共演している山本耕史、磯村勇斗と、実力派俳優揃いの作品。このキャスティングを見ると、バシッとスーツで決めたスパイものや、刑事ドラマなどを撮ってもおかしくない程だが、その面々が食卓を囲んでおかずをつっつく。見事な“実力派俳優の無駄遣い”という他ないだろう。
30分の深夜ドラマに対し、こんなにも豪華な俳優陣をキャスティングしてくれた製作陣には頭が上らない。さらに、おいしいご飯を食べながらみんなでキャッキャするシーンは、それだけで私たちも笑顔になってしまう。
山本耕史演じる小日向大策(通称小日向さん)と磯村勇斗演じる井上航(通称ジルベール)もケンジとシロさんと同様に、同棲しているカップルなのだが、この2人のキャラクターの癖がとても強く、良いアクセントとなっている。
特にジルベールは気分屋で、小日向さんの愛情をすべて無駄にするほどわがまま三昧。自称デイトレーダーの彼は、芸能プロダクションに勤める小日向さんの高級マンションでなに不自由なく過ごしているが、小日向さんの帰りが遅いだけで外に締め出したり、高級食材を使った作り置きを食べずに、大好物である「わさビーフ」ばかり食べる。
そんなジルベールに、小日向さんも視聴者の私たちも、彼の可愛さに負けて許してしまう。そんな2人のしょうもない喧嘩に振り回される、シロさんとケンジのリアクションも必見だ。