飛影(本郷奏多)は完璧? 残念? その再現度は? Netflix実写版『幽遊白書』キャスト評価(3)徹底考察
冨樫義博より少年ジャンプにて連載され、今なお世界中に多くのファンを抱える大人気漫画『幽☆遊☆白書』。この度、実写ドラマが2023年12月14日よりNetflixで独占配信された。今回は、原作漫画を愛するガチファンによる飛影(本郷奏多)の再現度について解説する。(文・ZAKKY)
飛影(本郷奏多)の声が素晴らしいワケ
小顔で座った眼差しがピッタリ。まずは、本郷奏多を飛影役に抜擢した、制作陣のセンスを賞賛したい。
こちらもビジュアル面では十分に期待に応えている。原作では身長約165㎝(諸説あり)の飛影に比べて、10㎝ほど高い本郷ではあるが、他のキャラクターよりは小柄で、とにかく素早い動きが得意な飛影のアクションを高解像度で体現している。
とはいえ、問題はアクションではなく声である。漫画実写化の際、アニメ版がすでに発表されていた場合、「その役を演じた声優の演技に寄せるのか?」といった問題はきわめて重要だと思われる。
一度もアニメ化されていない作品であれば、演者自身のアイデアで声色や話し方を構築できる。しかし、漫画→アニメ化→実写化という流れだと、例えば小栗旬主演の映画『ルパン三世』(2014)のように、アニメ版の声に役者が影響を受けすぎるという、懸念があるのだ。
以上を踏まえた上で、飛影という超人気キャラを演じた本郷奏多の声の演技について率直な感想を述べると、
「いいところ、突いてきたな~!」
その一言に尽きる。飛影のアニメ版を演じた檜山修之の雰囲気を残しながらも、わざとらしくならない塩梅でクールなキャラを丁寧に作り上げている。名セリフに事欠かない飛影だが、幽助相手に言い放つ「人間なんぞに剣を抜く気にもなれん」というフレーズには心底痺れた。
比較論にはなるが、声優・檜山修之版の飛影の話し方には、もっと溜めがある。嫌味がありすぎるくらいに、セリフのひとつひとつをはっきり声にしている。本郷は月川監督の指示なのか、自身の演技プランなのかは定かではないが「本郷奏多」版・飛影の語り口調として確立されており、実に聞き心地が良いのだ。
もし、もしまだ実写化に納得がいかない原作ファンがいたら、音声だけ聴いてみると、考え方が変わるのではないだろうか?
(文・ZAKKY)
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