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回を追うごとに増していく趣里&ジェシー“バディ”の魅力

『モンスター』第8話 ©カンテレ
『モンスター』第8話 ©カンテレ

 2023年上演のジェシー主演舞台『ビートルジュース』では、笑いに満ちた、これぞエンターテイナーというコミカルな舞台を見せてくれた。

 今年は1月期放送のドラマ『新空港占拠』(日本テレビ系)では、シリアスな表情で伝える場面が多く、6月放送の『世にも奇妙な物語’24夏の特別編』「追憶の洋館」も同様に、比較的おとなしめな役柄が多かった。その分、表情によって心の揺れ動きを表すのだが、表情を動かさない“静”の部分、言葉を発する寸前に観る者を引き寄せる、そんなジェシーの演技の中に存在する引力が印象に残っている。

 さて、第7話では聖地巡礼で起こった事件をきっかけに杉浦に指名が入った。いつもに増してやる気を見せる杉浦に対して、「しっかり~」と茶化す神波。しかし杉浦の意気込みも虚しく調査は難航…。神波が早々に出していた“自作自演”というヒントを得つつ、杉浦はあきらめずに関係者のもとへ足を運び、地道に調査を続けた。

 これまで神波に翻弄されていたようにも映ったが、じっくりと相手を観察するなど、彼なりに寄り添う杉浦スタイルも見えてきた。初回から少々のライバル心を感じていたのだろうが、問題が解決したあとに2人で歩くシーンでは、バディ感、戦友感が出ていた。

「時に法が追いついていない令和ならではの様々な問題と向き合い、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かう」と掲げているように、簡単に型にはめて裁けない問題を、身近なテーマをもとに描く本作。愛らしくミステリアスな神波と、まっすぐな杉浦の奮闘を通して様々なメッセージを伝えている。

 これまで数えきれないほどに様々な弁護士像が描かれてきたが、神波が好きなゲームのように、どこかRPGの雰囲気を感じるのも特徴ではないだろうか。物語はいよいよ最終章へ。ラストにはどんな結末が描かれるのかーー。最後まで見届けたい。

(文・柚月裕実)

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【了】

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