最高のエンディングに胸の高鳴りが止まらない…続編希望の理由とは?『あのクズを殴ってやりたいんだ』最終話考察レビュー
text by 菜本かな
奈緒主演、玉森裕太共演の『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)が12月10日をもって完結を迎えた。本作は、人生どん底のタイミングで金髪の謎の男に出会ったことで一念発起する、ガチンコボクシングラブコメディ。今回は、最終話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
「人生とは何か」を考えさせてくれた『あのクズ』
生きていたら、辛いことに出くわす瞬間が必ずやってくる。順風満帆なまま生涯を終えることができる人は、そういない。「こんなはずじゃなかったのに」と誰かのせいにしてしまいたくなることもあれば、海里(玉森裕太)のように自責の念に駆られて動き出せなくなってしまうことだってある。
それでも、生きているかぎり、前を向いて歩き出さなければならない。止まっていた時間を動かす瞬間は、とてつもない恐怖が襲ってくるかもしれないが、生きているわたしたちには、自分の人生を大事にするという任務がある。
ついに最終回を迎えた『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系/以下『あのクズ』)は、ほんわかとしたラブコメ要素がありつつも、「人生とは何か」を考えさせてくれるドラマだった。
前回、海里とルームシェアをしていた悟(倉悠貴)が、大地(大東駿介)の弟であることが判明。しかも、悟は想像を絶するほどに海里のことを恨んでいた。
ちょっと前までは、普通に楽しく会話をしていたのに、大地の弟だと明かした瞬間、「あんたが死ねば良かったんだ」「あんただけ、人生を楽しくやり直すなんて、そんなのおかしいだろ」とまるで人格が変わったかのように海里を罵り出す。海里と同じく、悟も7年前のあの事故から時間が止まったままだったのだろう。