見ごたえのある“考察ドラマ”『オクラ』

王道刑事ドラマかと思いきや、ダークな展開に振り切った『オクラ~迷宮入り事件捜査~』。
9年ぶりに復活した“火9”にふさわしい挑戦的で枠にとらわれない脚本が、視聴者をぐいぐいと物語に引き込んでくれた。予想の隙間をスルスルとすり抜けていく裏切り展開は毎話驚きに満ちていて、“考察ドラマ”としても至極の見応えとなったことだろう。
また、反町隆史と杉野遥亮の“凸凹バディ”が回を追うごとに絆を深めていく関係性の変化も心地がよかった。円熟味のある演技で魅せた反町と、クールながらも熱さをもった不破をごく自然な演技で表現した杉野。
クランクアップで反町は「体当たりで一緒に付いてきてくれる姿が本当にうれしかった」、杉野は「思いやりや愛情をたくさんいただきました」とそれぞれがコメントしたように、最終話の飛鷹と不破には2人の良好な関係性がそのまま反映されたようなエモさがあった。
個性豊かな「オクラ」のメンバーも愛すべきキャラクター。シリアスな展開にパッと火の灯るような明るさをもたらしてくれたのは、いつも「オクラ」のメンバーだったように思う。物語は続きが期待されるラストで終幕した。劇場か、続編か…願わくば、「オクラ」たちにまた会いたい。
(文・西本沙織)
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