染田(酒井敏也)の秘密
春生に話を聞くことはもうできない。だけど、思い出のちくわカレーを食べて、その優しさに触れることができた心麦は今度こそ何があっても春生を信じると誓う。「あなたが望む限り、俺が側についている」という松風の言葉が力強い。心麦には春生以外にも信じられる人がいる。
染田もその1人だったのかもしれないが、彼にはある秘密があった。警察が染田をマークしたのは、前科があるから。
染田は過去にサイン偽装と覚醒剤所持で逮捕され、その時に出会ったのが春生だったのだ。警察は春生の手紙も、染田が誰かに頼まれて偽造したものだと踏んでいた。取り調べで最初は黙秘を貫いていた染田。ところが、ドア越しに友哉(成田凌)と目が合った瞬間、何かを確信したように「山下さんの手紙を偽造したのは俺です」と自供する。
果たして本当にそうなのだろうか、と疑ってしまうのは春生が染田に手紙を託す回想シーンがあったから。なおかつ、染田は事情聴取に応じる直前、何者かに警察が家に来たことを伝えていた。おそらくその相手は、今回初登場となった検事の阿南(瀧内公美)とも繋がっている黒のリュックに青いカラビナを付けた謎の男なのだろう。
阿南が赤沢刑事から春生の手紙を受け取ったことを電話で報告した時、男は染田の屋台にいた。そして阿南は友哉の起訴を急いでいる。そのことから考えるに、男は友哉を春生殺害の犯人に仕立て上げたい、つまり22年前の事件について何かを隠している人物なのではないだろうか。