揺れる柊班に降りかかる新たな事件
動揺する警察内部の事情にかかわらず、不可解な事件は新たに起こる。柊班が向かった公園には、首を絞められて殺された男性の遺体が大木に寄りかかるように横たわっていた。そして、被害者の胸元には謎の傷が。
その後、重要人物として捜査線に浮上したのは、被害者である西村(三福エンターテイメント)が経理を担当していた新興ヘッジファンド「ノア」を立ち上げた投資家の奥貫純生(小久保寿人)だった。投資トラブルを抱えていたとされる西村との関連性が疑われるなか、氷月はまったく別の角度から純生のことを思い出す。
彼女がもつ「カメラアイ」が捉えたのは、5年前のネット記事と公園に集まった野次馬に紛れる謎の女性。彼女が5年前に純生と結婚した元モデルの梨々花(小林涼子)であると紐づけた氷月は、事件に何らかの関係があるとみて彼女のもとを訪れる。
しかし、氷月と土屋が向かった奥貫宅にいたのは、特殊犯捜査の刑事・池上(徳重聡)だった。主に誘拐や爆破処理を担当する彼らの存在は、事件をさらに複雑なものへと変化させていく。
そんな事件のさなか、動揺も悲しみも表には出さず、黙々と事件に相対する氷月。仕事仲間だけでなく、妹の陽菜(加藤菜津)にさえ完全に心を開くことができていない彼女の苦悩は、いまだ誰にも真に共有されていない。
氷月が奥底に秘めている感情が溶け出すにはまだまだ時間がかかるだろうが、陽菜と家でケーキを食べるふたりの何気ない会話に、少しだけ希望を感じた。