意識せざるを得ない存在こそ貴重?

『法廷のドラゴン』第5話Ⓒ「法廷のドラゴン」製作委員会
『法廷のドラゴン』第5話Ⓒ「法廷のドラゴン」製作委員会

 ただ、熊倉親子と歩田親子を見ていると「父と息子って似るんだな~!!」と思わずにはいられなかった。見た目の話ではない。今回、虎太郎の父・羊次郎(藤井隆)が写真以外で初めて登場した。なんというか、今の虎太郎に通ずる雰囲気があるというか。人を和ます柔らかい空気感というか。

 一方、熊倉親子。熊倉の職人に徹するところに和輝は反発していたけれど、形は違えど、和輝にも似たものを感じる。譲れないものに対して、とても頑固。自分の信念を信じて曲げない。あと、素直じゃない。素直じゃないから、熊倉親子の間には確執が生まれてしまったわけだが…。

 別に父親が自分に似るように教育したわけではない。息子たちそれぞれがしっかりと父親を見てきていたからだろう。好きか嫌いかは別として、意識せざるを得ない存在だったのだ。

 それが人によって親や家族ではない場合がある。でも、自分の人生に意識せざるを得ない人間、自分に影響を与える人間がいる、というのはある意味、幸せなことなのかもしれない。

 ところで、和輝を演じる草川拓弥の弟・草川直弥が『問題物件』(フジテレビ系)にゲスト出演。物語の鍵となる犯人役を演じた。同じ週に家族への強い思いがある役どころをそれぞれ演じている偶然も、素晴らしいことだな、と思う。

(文・ふくだりょうこ)

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【了】

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