茨道を歩もうとする一平(香取慎吾)の本音は?

『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』第9話©フジテレビ
『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』第9話©フジテレビ

 再開発反対派と揉めている中で起こった事故で、正助(志尊淳)が意識不明の重体になる。子どもたちの影響は計り知れない。そして、一平は区議会選挙ではなく、区長選挙に出ることを決意。長谷川と敵対する立場をとることを表明した。必然的に昔からの友人、真壁も敵に。

 真壁は一平のことを「ホームドラマに飲み込まれた」と言うが、果たしてそれは悪いことなのだろうか。ホームドラマから見えてくる、望まれる政治もあるのではないか、というのは甘い考えだろうか。

 一平はここまで、選挙を有利にするために町のことに取り組んできた。しかし、町を見つめ直し、そこに住む人を見つめ直し、やりたいことがようやく明確になったように見える。きっと、最初のころよりもずっと強く「政治家になりたい」と思っているだろう。

 ただ、区長選挙に立候補した時点で注目が集まり、探られたくないことも探られる。なぜテレビ局を辞めることになったのか、これまでにもちらついていた、一平が厳しい言葉を投げかけていた男性の存在も色濃くなっていく。選挙に出るなら、パワハラだと訴えられると痛手は大きい。

 きっと一平は政治家にならず、再開発に賛成し、正助や子どもたちと新しくできるマンションに引っ越すのが穏やかな幸せのはずだ。その幸せを望まず、あえて政治家という茨道を歩もうとするバイタリティはどこから生まれるのか。

 今まで見えそうで見えていなかった一平の本音がようやく見ることができそうだ。

(文:ふくだりょうこ)

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