鳥山(市原隼人)の最大級の愛

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第14話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第14話 ©NHK

 年が明け、鳥山に離縁された瀬川は蔦重の店を手伝い始める。一緒に売れる本を考えて、いつか瀬川が考えた瀬川の物語を売り出す。

 そんな風に想像を膨らませる中で、2人はいつもの調子を取り戻していった。童心に帰ってはしゃぐ彼らの姿は微笑ましく、いつまでもこの光景が続きますように、と願わずにはいられなかった。

 そんな中、鳥山の吟味(※取り調べ)が終わり、瀬以は奉行所に呼び出される。瀬以は厳重注意の上で無罪放免となり、「これより先は瀬以の面倒を見ることを遠慮したい」 という鳥山の意向で離縁することになった。

 これまではお金でしか愛を表現する術を持たなかった鳥山。しかし、全財産を失った今、愛する瀬以のために自分は何ができるかを牢の中で考え続けていたのだろう。

 瀬以が心から望むのは蔦重と一緒になること。鳥山はお金よりも手に入れることが難しい愛で、瀬以を自分から解放したのだ。「私はほんに幸せな妻でございました」という瀬以からの最大級の感謝に、「そなたの望みは何であろうと叶えると決めたのは、私だ」と応えた鳥山の表情はどこか満足げだった。

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