浩暉以外にも怪しい人物は?
ただ、この時点で怪しさ満点であればあるほど、おそらく浩暉が犯人ということはないのだろう。特に、表情の二面性を表していたのは、そのまま浩暉の、相対する人によって「顔は変わる」「隠しているわけじゃない」ということの一例であるようにも感じられた。
なんだか掴みどころのない人間のようではあるが、「忘れられたら事件は終わる」「真実って難しいよ」、このあたりが浩暉の本心や過去に由来する言葉ではないだろうか。
また、浩暉以外にも怪しい人物は複数いる。
謎の男(萩原聖人)は言わずもがな、万琴が担当する番組の総合演出・野田昇太郎(田中哲司)も怪しさ満点だ。浩暉の記事を読み、本当は万琴も被害者の意外な過去を知っていたのではないかと気づくのは勘がいいだけかもしれないが、それにしても設楽浩暉という人物になんらかの思いを抱いているような気がしてならない。
それに加えて「恋愛ミステリー」の名に相応しく、浩暉と万琴、そして万琴の高校時代からの友人である小峰正聖(白洲迅)、内海向葵(森田望智)の愛憎の矢印も注目だ。
これだけの情報量ながら、説明セリフが多いわけではなく、効果的な回想シーンや、センセーショナルな殺人現場と印象的な桜など、演出にも工夫が感じられる。過去2作に並ぶ話題作となり得るか。このあとの展開からも、目が離せない。
(文・あまのさき)
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