食えないキャラクターたちが日曜劇場の醍醐味
最終的に、研究不正は「揺るがない事実」として報道されたものの、iL細胞の研究は閉ざされることなく、歴史的発見への道は残された。
高坂教授が篠宮や小野寺教授を受け入れて研究を続行したのは都合が良すぎる気もするが、iL細胞の特許を海外の企業に売却する抜け目ない一面を描いたことで、彼の振る舞いの一貫性は保たれた。何もかもを見越していた進藤も含めて、食えないキャラクターが多く登場するのも日曜劇場の醍醐味だ。
次回は、報道局長の海馬(岡部たかし)にスポットがあたる。編集長の市之瀬(宮澤エマ)や山井プロデューサー(音尾琢真)が比較的、進藤のやり方に寄り添う姿勢を見せているなか、依然として海馬はつつがなく番組が進行することを望んでいる節がある。彼を報道局長のしがらみから解放できるかが次回の焦点になるだろう。
さらに、国定会長(高橋英樹)に対する疑念は持ち越されたが、清掃員の鍋田(ヒコロヒー)が彼の机を盗み見るシーンも映し出されている。物語が一気に加速する瞬間は、いつ到来してもおかしくはない。
(文・ばやし)
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