信じたい! 「平賀源内生き延びた説」

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第16話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第16話 ©NHK

 あまりにも残酷に描かれた平賀源内の最期。史実では「入牢した翌月、喧嘩のさいについた傷口からばい菌が入り、体調を崩し獄死」「殺人を悔やみ、絶食して獄死」といった説がある。

 ただ、歴史に「絶対」はない。本当に最期だったのか? ドラマでも、意味ありげに湯気の立った白湯が置かれたが、源内がそれを飲んで倒れたシーンはなかった。もしかしたらあれは毒ではないのでは?

 蔦重も、死体を引き取らせてもらえないことを根拠に「誰も亡骸は見てねぇんでしょう。そこを逆手に取るやつがいたってのはどうです」と「牢番に源内さんのファンがいて、逃がした説」を泣きながら唱えるのだ。

 そして、実際に「源内は死んでいない説」はある。田沼意次が牢獄から逃し、密かに彼の領内に隠棲していた、というものだ。意次のお膝元である静岡県牧之原市にある浄心寺には、「平賀源内墓」と伝えられる墓まで建っている。そのほか、蝦夷地へ渡った説もある。

 残念ながら生存説の信ぴょう性は薄いようだが、それでも生きていてほしい! その思いを込めて、源内の名言を今一度思い出そう。

「自らの思いによってのみ、我が心のままに生きる。わがままに生きることを、自由に生きるっていうのさ。わがままを通してんだから、きついのはしかたねぇや」(第5話「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」)

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