去り行く人が残したものは大きく尊い
松平武元と徳川家基は死んでしまったが、瀬以と源内は、まだワンチャン出番がある気がする。ということで、「写楽候補に入れる」というアイデアはいかがだろう。無理があるのは分かっている。アイデアだ。あくまでもアイデアだから!
源内さんが田沼意次の計らいで逃げ延び、それを知った蔦重が絵師として彼をバックアップするという可能性もありそうではないか(無いか…)。
瀬以も本が大好きだったし、その後挿絵の勉強をしているうちに絵の才能が開花し、絵師として蔦重と再会してもおかしくはない(おかしいか…)。
写楽はユニットだったという説もある。唐丸と瀬川、平賀源内が写楽で、3人が顔を寄せ合い1枚の絵を描いている、なんてのも粋じゃないか。
そんなビックリ展開でもいいから、復活してほしい、と思うほど、4月の「べらぼう」は本当に切なかった。
去り行く人が残したものは大きく尊い。我らが蔦重は自分の店「耕書堂」を持ち、そんな彼らの意思も未来への願いも、まるごと伝えていく決心をするのだ。
さあ、次週からついに蔦重が版元として本格始動。
これからどうなる? お江戸のクリエイターたちがどう動くのか、史実にフィクションの粉がどんなふうに降りかけられるのか、全く読めねぇ! しかし、だからこそ面白い。
「わかんねえなら、楽しいことを考える」
蔦重のお決まり文句を心に、新たな幕開けを待とう。
(文・田中稲)
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