想像以上に根深いパワハラ問題

『人事の人見』第7話 ©フジテレビ
『人事の人見』第7話 ©フジテレビ

 正直、今回は観ていてかなり辛かった。黒澤のパワハラは、怒鳴る、物を投げつける、人格否定、無理なタスクを与えて帰さないなど典型的なものだった。直接的なシーンはそんなに多くはなかったが、パワハラを想起させるシーンはあった。日常的にこのパワハラを受けていたら、壊れてしまうだろうということは容易に想像ができる。むしろ、真野はいまよく復帰しているな、と思うほどだ。

 パワハラの難しいパターンが、被害者側が「期待してくれているから、応えられるようにがんばらなければ」と思ってしまうこと。今回の黒澤と真野の場合はまさにそれで、真野はがんばりすぎてしまった。もちろん、真野が悪いわけではない。そうやってパワハラを受けても我慢せざるを得ない環境も悪と言えるだろう。

 黒澤は会社がパワハラと認めたこともあって、東北支社に異動となった。しかし、もともと黒澤は優秀な人材のよう。それに黒澤自身がパワハラをきっかけに自分を変える努力をしようとしていたことも考慮されたのだろう。

 だからと言って、被害者側が許せるわけではない。さらにパワハラをしたやつが会社の中枢にのうのうと戻ってくるなんて許せないだろう。やられたほうは忘れられなくても、やったほうは処分があったとしてもやはり痛みは少ない。それが苦しいし、怒りになる。

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