うぶなりに自分から頑張る姿にドキドキ

『波うららかに、めおと日和』第1話 ©フジテレビ
『波うららかに、めおと日和』第1話 ©フジテレビ

 第1話で、瀧昌は、初対面の挨拶もそこそこに「それでは行きましょう」とおもむろに歩き出し、住む上で足りていなかった食器や調理道具を母屋から運びだす。それは、なつ美が不自由さを感じないための、彼なりの気遣いの表れだった。口には出さずとも、相手への思いやりに溢れ、それを行動に出来る男なのだ。

 中でも注目すべきは、同じく第1話「名前を呼び合おう」と提案する場面だろう。なつ美と呼びたくて「な!」と発するも、あまりの恥ずかしさに咄嗟にどうでもいい言葉を続けてしまう。こんなにも非の打ちどころがなさそうな外見なのに、たった3文字“なつ美”という名前を呼ぶだけでこの照れっぷり。可愛すぎる。

 だが、瀧昌の“うぶさ”はそれだけでは終わらない。軍人として責任感も強い「自分から言い出した以上…」と、改めて名前を呼ぶことを試みる。

「なつ美さん…」と、なんとか呼ぶことに成功するも、返す言葉が見つからず、「…以上です」と締めくくってしまうのである。

 この“うぶ”な一面と、「恥ずかしい、でもどうにかリードしよう」とする紳士的で頼もしい姿勢。そのギャップこそが、瀧昌という男のたまらない魅力なのだ。

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