まさかの現在の日本を予言? 「米騒動」のシンクロっぷりに視聴者驚愕… 大河ドラマ『べらぼう』第26話レビュー【ネタバレ】

text by 野原まりこ

横浜流星が主演を務める大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合)。本作は、江戸時代を舞台に、多くの浮世絵師や作家を世に広めた出版人・蔦屋重三郎の波瀾万丈な人生を描いた物語。さっそく、第26話の物語を振り返る。(文・野原まりこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

令和の“米騒動”とのシンクロ?

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第26話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第26話 ©NHK

 浅間山が噴火した影響で、米が急騰。奉公人を抱える蔦重(横浜流星)も生活の苦しさに頭を悩ませる中、幼い蔦重を吉原に残して去った実母・つよ(高岡早紀)が現れる。店に居座るつよは、来客する旅人の髪結いを始める。最初は咎めた蔦重だったが、髪結中の客への本の販促に使えると気づく。
 
 田沼意次(渡辺謙)が米不足への策に頭を悩ませる一方、蔦重は言葉で米価をうごかせないかと画策。店を訪れた意知(宮沢氷魚)も、蔦重の言葉にヒントを受けた。

 さらに、店ではてい(橋本愛)が、蔦重以外の店の者でも本が売り出しやすいように、「品の系図」を作ることを提案する。蔦重に頼まれたていは、系図を仕上げるが、利き者の蔦重に石頭の自分は釣り合わないと家を出ていってしまう。
 
 蔦重はていを追いかけ、2人は本当の夫婦となったが、その陰では歌麿(染谷将太)が、蔦重への思いを密めて涙していた…。

 令和の“米騒動”が記憶に新しい中、タイムリーな話題をぶつけてきた第26話。現実を予言したかのような脚本に、視聴者の関心は寄せられた。Xに寄せられた反応を見ていこう。

「昨夜の放送も神回やった」「米の値が上がる、だけじゃなくて、『実は在庫自体はあるはずなのに値が上がってる』『古米を流通させる』『商人の組合を壊して値下げさせる』といったところがあまりにも予言…!」「今回は特に熱かった。今を彷彿とさせる状況、言霊を大切にしている人達」「おていちゃんへの告白で、『縁の下の力持ちなところも好きでさぁ…』とさらぁっっっと『好き』っていう蔦重……」

 放送を重ねるごとに面白さを更新していく『べらぼう』。登場人物の豊かな感情表現が物語に深みをもたらし、そこには実体感が伴っている。世界観をリアルに感じられる本作から目が離せない。

(文・野原まりこ)

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