田舎のほのぼの時間に
視聴者もほっこり
まず何と言っても、小津とメイの“田舎暮らし”を見守る癒やし効果は抜群だ。福島の大きな一軒家で暮らす2人の、のびのびとした雰囲気が心地よい。メイがちょうど夏休み中ということもあってか、こちらも一緒に余暇時間を満喫しているような気分を味わえる。
つかず離れず時間を重ねていく2人に対し、もともと福島に住んでいた人たちも移住者も関係なく、近隣の人々は積極的にコミュニケーションを取ろうと試みてくる。
彼らが、また個性的なのだ。
たとえば近所でワイン農園を経営する平田夫婦。1話の冒頭で嫌がるメイに「バスの時間だ」と諭す小津を目ざとく見つけ、「誘拐ではないか」と食って掛かる。ちょっと早とちりでお節介なのに、自分たちの息子が農園を継がなかったとしても「好きに生きさせてやんないとね」といえる懐の深さと聡さもある。ともに元気だけど優しい笑顔が印象的な田中美奈子、ガレッジセールの川田広樹が夫婦を演じるという配役も、なんだか憎らしい。