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鈴鹿央士“左右馬”のセリフに心が洗われる…昭和を描く『嘘解きレトリック』がネット社会に生きる現代人に刺さるワケ

text by 菜本かな

鈴鹿央士&松本穂香がW主演を務めるドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)が放送中。本作は、借金まみれの貧乏探偵とウソを聞き分ける能力者の異色コンビによる、レトロモダン路地裏探偵活劇。今回は、第4話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

人形屋敷で起きた衝撃の事件

『嘘解きレトリック』第4話 ©フジテレビ
『嘘解きレトリック』第4話 ©フジテレビ

『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)第4話で描かれたのは、「人形屋敷」と呼ばれる綾尾家で起きた“人形殺人事件”。

 原作でも人気のエピソードなだけに、“あの”人形屋敷のゾッとする感じを、映像化できるのか…? と不安になっていた人も多いのではないだろうか。

 しかし、さすがは『ガリレオ』(2007~)シリーズの西谷弘監督と、鈴木吉弘プロデューサーがタッグを組んでいるだけある。まさに、“あの”恐ろしい雰囲気がリアルに再現されていた。ちなみに筆者は、原作漫画を3巻の途中まで読んでいるのだが、謎解きシーンは未読にしてあるので、個人的な見解として考察をしていきたいと思う。

 まず、左右馬(鈴鹿央士)と鹿乃子(松本穂香)が、『魔境探報』という怪談雑誌の記者・雅(北乃きい)に連れられて向かった「人形屋敷」と呼ばれる綾尾家には、変わった風習がある。

 それは、生まれつき体が弱かった一人娘・品子(片岡凛)の成長を祈願し、年齢を重ねるにつれ人形を増やしていくというもの。それだけなら、よくある話…かもしれないが、綾尾家ではその人形を、品子と同じように“育ててきた”らしく、人形のための食事も作られているようだ。ここまでくると、妙な噂がつきまとうのも無理はないような気がする。

 それだけでなく、この「人形屋敷」では事件が起きている。ネズミを駆除するために、女中のイネ(松浦りょう)が、人形に供えるための食事に殺鼠剤を入れたらしい。もちろん、誰も食べるわけがないと思ったため、殺意はなかったようだが、あとからイネが見に行くと、人間が倒れていた。

 慌てたイネは、近くに住む柴田(佐戸井けん太)に「人間を殺してしまった」と助けを求めにいく。しかし、そこで死んでいたのは人形だった…というオチ。果たして、人形がものを食べたり、死んだりするのだろうか。そして、その人形を人間だと勘違いしたイネは、責任を感じて自殺をしてしまった。

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