暴力、エンコー、ドラッグ……トラウマのターンに突入
1話から3話までも独特の暗さはあったが、それでも、当時ブームとなったスーパー高校生の生活や流行の音楽がキラキラ描かれていた。しかし4話からは暴力、ドラッグ、エンコーといった闇分量がぐっと増えてくる。
きっかけは3話の終盤。人気読モの宝来(鈴木仁)が姉・淳子(桜井日奈子)を襲った事件により、それに気づきながら、自分の部屋で「Marionette」(BOØWY)をヘッドホンで聴くことで、耳を塞ぎやり過ごした秋久は、深い罪悪感と心の傷を負ってしまった。今思えば、「Marionette」(BOØWY)が、闇ターンへの序曲だったのだ。
4話、落ち込む秋久から理由を聞いた翔らチームメンバーは、秋久を傷つけた宝来(鈴木仁)とその仲間たちに激しい暴力で制裁を加える。呆然とする秋久に、ドヨン(関口メンディー)がかけるセリフが本当に怖い。
「目をそらすな。共犯だ。俺たちは仲間を傷つけられたらその相手を全力で潰す。同じだけ罪を背負い、同じだけ傷つくんだ。Q、逃げるな。それがチームだ」
友情が重い(泣)。結局秋久も乱闘に入るのだが、血を流して倒れる宝来らを前に、翔たちが勝ち誇ったようにカラオケでCHAGE and ASKA「YAH YAH YAH」を大合唱するシーンは、微笑ましいというよりゾッとした。
というのも、殴るシーンの演出が非常に細かいのだ。地上波ドラマでは久々に見るかもしれない、ここまでリアルなバイオレンスシーン。第6話ではヨダレを垂らしグへへと笑いながら暴力を振るう武闘派暴走族・大黒(勝矢)が、殴る蹴るだけでなく、目潰し顔潰し技を繰り出しクラクラした。
演じていた俳優さんが鬼気迫る表情なので誰なのかと調べたら「勝矢」という方。とてもやさしそうな笑顔のプロフィール写真が出てきて、ホッとして泣きそうになった。