存在感を強めていく井之脇海“朔”
どうして、傷つけられた側が悪者みたいにならなくてはいけないのだろう。夫に不倫された六月(木南晴夏)を見ていると、胸が苦しくなる。
もう、39歳だしこれから新しい恋人ができるはずがない。それに、夫を超えられるような人を見つけられる気もしないし……と、離婚届に判を捺せずにいた六月。そんな彼女の前に、夫の不倫相手・萌香(さとうほなみ)が現れ、「(離婚届に)判を捺してくれるまで帰りません!」と言ってきた。
なんじゃこりゃ。意味が分からない。六月は妻であり、萌香は不倫相手だ。法的にも六月の方が、立場が上のはず。それなのに、なぜ六月が2人の恋を邪魔する悪役ポジションにならないといけないのか。
六月だって、こんな恋は終わらせた方がいいことは分かっているはず。無理にヨリを戻してもらったところで上手くいきっこない。ただ、裏切って傷つけてきた人たちが幸せになるためのトスをあげるのは癪だ。
しかし、話し合いをするために夫の職場に乗り込んだとき、そこには見たことのない彼の姿があった。萌香の横で幸せそうに笑う夫を見て、「あんな風に笑うんだ。本当の彼を知らなかったのは、わたしの方だ」と呆然とつぶやく六月が切ない。
ただ、腐れ縁を切ったからこそ、新しい出会いに気づくことができた。六月が離婚届を書くとき、一緒にいてくれたのは部下の朔(井之脇海)だった。
第3話で、朔の株が急上昇したのは筆者だけだろうか。まず、六月と一緒にバッティングセンターに行ったときのこと。打ち方を教えるために六月に近づいてきたので、「はいはい、それを理由にボディタッチしてくるやつね……」と思っていたのだが、朔は六月の身体に一切触れることがなかった。
年下男子ならではの無邪気な要素を持ちながらも、硬派なところが朔の素敵なところ。この2人、恋に落ちるのも時間の問題のような気がする。