99%“クロ”の殺人容疑者をどう無罪に持っていく?
容疑者の緋山啓太(岩田剛典)は、職場の社長・羽木朝雄(山本浩司)からの苛烈なパワハラによって殺害に至ったとされ、証拠も十分に揃っていた。しかし、明墨は「証拠は多ければ多いほどいい」と、謎めいた言葉を放つ。同僚弁護士の赤峰柊斗(北村匠海)は、その言葉の意味が分からず困惑する。
明墨らは、弁護士バッジを外し、第一発見者の尾形仁史(一ノ瀬ワタル)に接触する。この時点で弁護士としてのモラルに反した反則ギリギリの行為だ。しかし、これを手掛かりに事件の真相に迫っていく。
99%“クロ”の殺人容疑者をどう無罪に持っていけばいいのか。明墨は弁護士としての矜持を説く。検事は証拠を集めて有罪にする一方で、弁護士とは、その証拠を一つひとつ潰していくことだというのだ。
確かにその通りだ。司法の原則である「推定無罪」が、この国で機能しているとは筆者には思えない。そして弁護士もまた、検察側が作った“ストーリー”を覆そうとする気骨がある職人肌が少ない現実がある。
その点、明墨は依頼人にとことん寄り添い、無罪を勝ち取るためには手段を選ばない。彼にとって犯行の有無などどうでもよく、検察との“ゲーム”を楽しんでいるようにさえ見える。