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最高の「バドジズ」が一転、敵性音楽に

趣里、連続テレビ小説『ブギウギ』©NHK
趣里連続テレビ小説ブギウギ©NHK

いろいろ紆余曲折はありながら、第7週「義理と恋とワテ」までは、無邪気にジャズやブルースを楽しめていた。これまでの『ブギウギ』は歌もステージも華やかでモダンだった。しかし12月、ついに戦争パート、軍歌・戦時歌謡の時代に突入。軍による取り締まりが強化されていく。ドラマでも「お国のため」とガチガチに規制され、方向性に悩む梅丸楽劇団の様子が描かれているが、モデルになった松竹楽劇団も実際、モダンでアメリカナイズされた演目が多く規制対象になりやすく、1940年頃から縮小に向かっている。

笠置シヅ子も実際に、警視庁に呼び出され、「つけまつげ禁止」と「直立不動で歌うこと」を強要されている。私も本で読んで知ってはいたが、ドラマで観て知る、想像以上の窮屈感! ものすごく狭い範囲ではないか(泣)。一度あの最高の解放感満点の『ラッパと娘』を見てしまうと、なるほど、「カカシのようなワテ」――。これはつらい。

太平洋戦争開戦後には、公的に、敵国であるアメリカとイギリスのジャズやポピュラーソングが一切演奏禁止に。英語も禁止され、レコード会社は、ポリドール→大東亜、日本ビクター→日本音響、日本コロムビア→日蓄工業、キング→富士音盤と表記が変わっていくことになる。ドラマに登場する「コロンコロンレコード」はどうなるのだろう。コロンコロンは英語ではなく擬音なのでセーフ、となってほしいところだ。

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