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タイ子ちゃん親子の登場で描く
戦後の複雑な時代背景

藤間爽子、蒼昴、趣里、連続テレビ小説『ブギウギ』©NHK
藤間爽子蒼昴趣里連続テレビ小説ブギウギ©NHK

病床に伏せているタイ子ちゃんの代わりに、靴磨きで生計を立てる達彦くん。東京ブギウギが1948年リリースなので、すでに当時はGHQにより小・中学校の義務教育が始まっていた頃だが、街には、学校など通わず、働く子どもたちがたくさんいた。女の子は花束を売り、男の子は靴磨きが定番だったようだ。

岡晴夫の「東京の花売り娘」(1946年)、宮城まり子の「ガード下の靴磨き」(1950年)など歌の題材にもなり、羽鳥先生(草彅剛)のモデル、服部良一も、靴磨きの少年を歌った「シューシャイン ブギ」(1949年)を作曲している。

「ブギウギ」ではタイ子ちゃんが、スズ子と「東京ブギウギ」に拒否反応を示していた。戦争で大切な人を失い、どん底の自分の境遇と比べ、華やかに活動する友人のニュースが流れてくる劣等感……。

スズ子は悪気がないだろうが、「タイ子ちゃんやんか」とドカドカ家に入り、部屋を見回し「こんな近くにおったやなんて~」と喜ぶあの屈託のなさと押しの強さは見ていて微妙にイラッ。デリカシーに欠ける!

けれど結局、その強引さがタイ子ちゃんを救うのである。子どもの頃のタイ子ちゃんがスズ子に言う「お節介が人を助ける」というセリフがここで活き、幼い日の仲がいい二人のシーンが挟まる演出に号泣してしまった。

タイ子ちゃん役の藤間爽子さん、儚げな魅力と芯の強さが両方出ていて素晴らしい。鬼のような形相でスズ子を睨むあのシーンは鳥肌が立った。これからもどんどんドラマに出てほしい!

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