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『ブギウギ』で描かれた誘拐事件の真実は? 伝説の「第7回紅白歌合戦」の史実も解説。NHK朝ドラマ考察&感想レビュー

text by 田中稲

NHK連続テレビ小説『ブギウギ』。戦後昭和の大スター・笠置シヅ子がモデルの主人公・スズ子(趣里)が、歌手の道を突き進む物語。本作はこの度、スズ子の引退公演で大団円を迎えた。今回は、スズ子の晩年期の歌手人生を史実と共に振り返るレビューをお届けする。(文・田中稲)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:田中稲】

ライター。アイドル、昭和歌謡、JPOP、ドラマ、世代研究を中心に執筆。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)『昭和歌謡出る単 1008語』(誠文堂新光社)がある。CREA WEBにて「田中稲の勝手に再ブーム」を連載中。「文春オンライン」「8760bypostseven」「東洋経済オンライン」ほかネットメディアへの寄稿多数。

終盤に描かれた「世代交代」

趣里、連続テレビ小説『ブギウギ』©NHK
趣里連続テレビ小説ブギウギ©NHK

何と幸せな最終回! 泣いた、泣いたよ全員集合(号泣)。

紅白(男女)歌合戦の舞台で最終回を迎えるという予想は外してしまったが、いいのだ。引退しても、スズ子の幸せで忙しい日常がこれからも続くことがあらわれた「おわり」の表記のない最後は本当に素晴らしかった。

思い返せば、2月の最終週放送から、スズ子は一気に、育てられる側から「育てる側」に立場が変わっていった。

山下さん(近藤芳正)がマネージャーを辞め、業界一年生のタケシ(三浦獠太)を育てることに。口ばかりのタケシに、スズ子は「買い物ブギ」のパフォーマンスで、彼にプロ意識と覚悟を見せていた。

しかもそれは、初めての羽鳥先生(草彅剛)不在のステージ。「トゥリー・トゥー・ワン・ゼロ!」を自分で言ったのも、まさにスズ子自立の合図だったのだろう。

ちなみに、このあたりから、スズ子の髪型がサザエさんそっくりである。そして実際「サザエさん」は「買い物ブギ」リリースの1年前、1949年から夕刊朝日新聞で連載開始されている。

昔からサザエさんのあの頭はどうなっているのだろうと思っていたが、趣里さんの髪型を見て「これだったのか……」と腑に落ちた。当時の最先端モードだったのかも。

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