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”倖生”を演じる永瀬廉との共通点

前田敦子【Getty Images】
前田敦子Getty Images

倖生は、住所不定のフリーターだし、「ありすのお勝手」を追い出されるわけにはいかないのだろう。だから、頑張ってありすに尽くしているのか? と最初は思っていたが、どうやら違っていたようだ。

心護に、「倖生くんは、なんでそんなにありすに寄り添ってくれるの?」と聞かれた時、倖生は「気持ち、分かるんで。助けが必要な時、誰もそばにいてくれなかったり。辛い時にまわりに味方がいないとか、そういう時の気持ち、分かるんで」と答えた。

倖生がありすに優しくするのは、働く店のオーナーだからじゃない。ただ、自分がしてほしかったことをしているだけ。それに気が付いた時、心のなかにじんわりと温かい気持ちが広がっていった。

一見クールに見えるが、実は包容力があって温かい人。倖生という役柄は、演じている永瀬廉と共通する部分があるような気がしている。

11月に『ぽかぽか』(フジテレビ系)に出演していた際、司会の澤部佑から「(同じグループの髙橋海人と一緒にいる時間が長くなったことで)嫌なところとか見えてこないの?」と聞かれ、「10年ぐらい一緒にいるので、嫌なところも嫌じゃないというか。それが、その人っていう」と答えていた永瀬。

そんな彼が演じるからこそ、寛大すぎる倖生をリアルに感じることができる。「こんなに良い人いる?」とならずにすんでいるのは、永瀬の温かさがキャラに反映されているからこそだと思うのだ。

また、ASDの特性を持つありすの親友・和紗も、なんとも興味深い存在だ。まず、和紗はありすを特別扱いしない。普通の友達のようにツッコミを入れたり、時には厳しいことを言ったりする。可哀想な存在、守るべき存在として接していない。それでいて、ありすの個性は理解してあげている。ASDに寄り添うというよりは、ありすに寄り添う姿勢なのが、素敵だなぁと思う。

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