公私混同を許さない花岡がどう動く?
大人になるほど、人は強がりを覚えていくものだと思う。悲しいのに、「平気だよ」と嘘をついたり、傷ついていないふりをしたり。だが、テオはちがう。テオは、自分にも他人にも嘘をつかない。そんな彼を見ていると、忘れかけていた純真な気持ちを思い出すことができる。
若くして最愛の母を亡くした経験があるテオは、気づいているのかもしれない。言いたいことがあれば、すぐに伝える。そうしなければ、いつか届かなくなってしまうことに。そう考えると、彼のまっすぐなアプローチも深みを増す。
「好きになって欲しくて、やってます。僕も、26歳の男ですから。だから、早く僕を好きになって?」
テオは、天性の人たらしなのでは? と思った瞬間もあったが、どうやら本気で侑里に気があるようだ。キュるっとした瞳で、「会社では、社長とインターンでいいです。その代わり、これからは外で2人きりの時間、たくさん作ってくれますよね?」なんて聞かれたら、「はいはい、もちろん」とうなずくことしかできない。
しかも、2人で話しているところを同僚に見つかりそうになったとき、ハグをして侑里を隠してあげるのもズルすぎる。そして耳元で「見つかったら、ダメでしょ?」なんて囁かれたら、恋に落ちるしかないだろう。
ただ、侑里とテオの社内恋愛が順風満帆にいくはずがない。行く手を阻むのは、おそらく花岡。彼は、とにかく真面目な仕事人間だ。たとえ取引先の女性であっても、公私混同は許さない。「よかったら、2人でご飯でも行きませんか?」と誘われただけで、取引を解消しようとしてしまう。そんな花岡からすれば、同じ会社で働く者同士が……なんてのは、もってのほかだろう。
しかし、第2話には花岡も侑里に気があるのでは? と思ったシーンが。お酒に酔って寝落ちしてしまった花岡の手元に、なぜか侑里の写真があったのだ。これは、眠りにつく直前まで眺めていたということだろうか。となると、「公私混同する人間は、うちの会社には必要ない」というクールな言葉も、意味ありげに聞こえてくる。花岡は、自分に言い聞かせるために言っていたのか……?